高専低学年におすすめの物理の参考書

目次

高専の物理の特徴

普通校では物理の授業は2年生あたりから開始されます。それに対して、ほとんどの高専は、1年生からカリキュラムが組まれています。と言うのも、ご存知の通り高専は工学に特化した教育機関となっているので、どうしても早くから物理を学ぶ必要があります。

しかし、ここで知っておいて欲しいのは、高専の低学年、特に1、2年で学ぶ物理の内容は普通校の物理の内容とほとんど変わりません
いくつかの高専のシラバスを覗いてみましたが、どの高専も普通校と同じ内容を学習しています。
具体的には、以下の5分野です。ただし、コースによっては若干変わるかもしれません。

  • 力学
  • 熱力学
  • 波動
  • 電磁気学
  • 原子

学校にもよりますが、高専の物理の特徴が顕著に現れるのは、3、4年生あたりからです。
物理の授業で微積分を用いるようになります。これに対して、普通校の3年生でも物理分野で微積分を使うことはまずありません。
どうやら、文部科学省の物理の指導要領に微積分がないため、普通校では微積分を用いて物理を解くことはあまり良しとはされていないみたいです。

つまるところ、高専の物理は、1〜3年あたりで高校内容を終え、3〜4年あたりで大学内容の物理に入ると言うことです。

これが意味するのは、1〜3年の間は普通校の人が使う参考書が使えると言うことです。
なぜこれが重要なのかというと、このwebサイト上で高専指定の問題集の解説を載せている通り、内容がわかりづらかったり、解説が最低限すらなかったりするからです。
高専自体がマイナーな教育機関なので、仕方ないのかもしれませんが。

高専物理のおすすめ参考書

高専の物理の特徴で述べたとおり、高専低学年の人は普通校の参考書が普通に使えます。ということで、以下の記事では、高専1〜3年生向けにおすすめの参考書を紹介します。また、大学編入を考えている高学年の方の復習にもなると思います。
難易度別に易しいものから紹介していくので、自分にあっているものを使ってみてください。

基礎レベル

ここでは、物理を学習する上で最低限のことを学べる参考書を紹介します。物理の入門書と捉えてもらって結構です。
授業の予習として購入する人や、授業内容を全く覚えてないという人におすすめです。

漆原晃の 物理基礎・物理が面白いほどわかる本シリーズ

漆原晃の物理基礎・物理[力学・熱力学編]が面白いほどわかる本 [ 漆原晃 ]
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物理5分野を3つに分けて、それぞれ販売している大学受験用の参考書なのですが、かなり特徴的な表紙です。

しかし、わかりやすさは折り紙付です。Amazonの「高校物理教科書・参考書」カテゴリで売れ筋ランキングを1〜3位を独占しています(2022/02時点)。

この参考書は前提知識がない状態でも読めるよう、かなり細かく説明がなされています。1冊につき、約300ページと、かなり量が多いと感じるかもしれませんが、生徒と先生の対話形式かつ、イラスト多めなので、かなりサクサク読み進めることができます。

宇宙一わかりやすい高校物理シリーズ

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この本は2冊構成で、力学・波動と熱・電磁気・原子にそれぞれ分けて出版されています。

表紙でわかると思いますが、前出の参考書と同程度にイラストが豊富です。
こちらの参考書もAmazonの「高校物理教科書・参考書」カテゴリで6位にランクインしています(2022/02時点)。

2冊とも400ページ強ありますが、漆原シリーズが3冊なのを考慮すると厚さ的には同じぐらいです。

漆原シリーズと宇宙一シリーズでは、あまり内容に大差はないので、気に入った方を購入するといいと思います。
ただ、宇宙一シリーズの方は2冊で完結しているので、安く済みますね。

発展レベル

ここでは、基礎のレベルよりもほんの少しレベルの高い参考書を紹介します。
発展レベルといっても、参考書の内容が難しいというわけではなく、最初にやる入門書としては個人的におすすめできないものです。復習用や、物理が少し得意という人におすすめです。

物理のエッセンス

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物理の参考書について調べたら真っ先に出てくるような、言わずと知れた王道の参考書です。

この本は、宇宙一シリーズと同様に2冊構成で、力学・波動と熱・電磁気・原子にそれぞれ分けてられています。
しかし、宇宙一シリーズが1冊400ページ程度なのに対し、物理のエッセンスは1冊150ページ程度となっています。

これがこの本の最大の特徴です。名前の通り、問題を解く上でのエッセンスが詰まっています
なおかつ、基礎レベルの参考書ほどではありませんが、説明に図を多く用いています。

ただし、注意が必要です。表紙に1,2 & 8,9,10とありますが、1を最低限の基礎、10を試験問題を解けるようなレベルとし、10分割した時、この参考書では、1,2と8,9,10の内容をやるよという意味です。また、本の導入には、3〜7が教科書に掲載されているものだと言及されています。

つまり、本当に基礎となる部分と、実際に問題を解く際に必要な少し発展的な内容がこの本のメインであって、基本的なことは教科書に任せるというスタンスなのです。

少し長めに説明しましたが、物理のエッセンスが自分には合いました。
ただし、先述の通り、あまり物理に馴染みのない人は避けたほうが無難だと思います。

番外

基本的な参考書を多く紹介してもあまり意味がないので、ここでは番外編として、自分個人の役に立ったものを紹介します。

鉄緑会物理攻略のヒント よくある質問と間違い例

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東大受験専門塾が作っている参考書です。東大と聞くと、中身が小難しいと思うかもしれませんが、その反対です。
よくあある質問と間違いを元に図をふんだんに使って、丁寧に説明されています。

教科書や問題集のではなく、あくまでも、副読本です
物理のエッセンスなどのメインとする参考書と同時並行で進めることで、理解が捗ります。

実際に手を動かすわけではないので、読書が好きな人や、時間に余裕のある人におすすめです。

高専の物理問題集

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高専の物理という教科書についてくる問題集です。

高専の物理と言ってますが、解説がついてないとこ以外は、結構普通の問題集です。
難易度別に問題が分けられていて、基礎から演習できます。
普通教科書に載ってないような問題が載っているので、飛ばしながらやることをおすすめします。

このサイトに解説を載せているので、それを参照しながらやると、捗ると思います。

学校指定だったり、学校の定期試験の範囲だったりすると思うので、やっておくのもありです。
ただ、自分的にはあまりおすすめできません

スタディサプリ

関さんのCMで有名な大学受験用の映像授業を提供するサービスです。

どうしても、参考書の独学が苦手、という人は、映像授業という選択肢もありです。

自分は高専2年生の時に、数学と物理の学習に使いました。
物理の授業は高1〜3まであり、高専の範囲にもばっちり入るので心配ないです。
また、自分は数学の授業も、高専の範囲を選り好みながら使っていました。

数Ⅲの通称ヒゲという先生が面白くて見やすいのでおすすめです。

まとめ

ここまで、低学年向けに物理の参考書の紹介をしてきました。
参考書は何周もすることが大切なので、1種類自分の選んだものをやり遂げると、身につくと思います。

自分個人としては、「物理のエッセンス + 物理攻略のヒント」という組み合わせがおすすめです。

今回は、あまり問題集について触れませんでしたが、理解の定着のために、高校用の問題集を買うのもおすすめです。

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